Par Avion

宮本輝の短編小説について、その良さをどういったらいいのか考えていました。
「喪失感」、これはたしかにあるけど村上春樹や大島弓子や岡崎京子ほどじゃない。「諦観」だろうか。読んでからかなり時間が経っているせいでそのときの「こんな薄い本なのによくもこんな美しい話を書くもんだなあ」というのは覚えているんだけどね。
ココロの深くを揺さぶるような物語ではないんです。ただただ静かに沁みてくる良さなんです。うん、そう、その感じ。
「川三部作」から「優駿」までは読みました。そのあとのは残念ながら読んでないです。僕にとってはページが厚くなるほど少しずつ離れてしまいました。
「泥の川」「蛍川」「道頓堀川」「五千回の生死」「錦繍」「幻の光」、みんないいです。
で、僕の個人的な好みで選んでいくと、鷺沢萌、原田宗典の短編も同じライン上にあると思うのです。「帰れぬ人びと」「海の鳥・空の魚」「優しくって少しばか」「スメル男」などが。たまたまよく読んだからなのかな。
そしてもしかしたらこの人もその先の線上にいるかなと思ったのが川上弘美。小包にいれようと思って買った「センセイの鞄」、送る前に読んじゃった。ごめんな。
よかった。すっごくよかった。作者、小説に対してまじめに向かい合ってる気がします。すごいじゃん。
この小説が有名になった頃たしか筑紫哲也あたりが騒いでいてそれは「マディソン郡の橋」や「失楽園」をオッサンたちがアホらしく騒いだのと同じ程度の低さで騒いでいたような気がして、「ナーンダ」って思ってました。実際読むと「フムナルホド」ってわかったけど、それはそれなんだなあ。
ときどき読もうと思います。
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by oswtknr | 2005-06-13 00:01 | 書店パトロール